虫垂炎とは『盲腸(もうちょう)』としてよく知られており、子供から大人までが発症する可能性があります。
虫垂は大腸の一部である盲腸から飛び出している腸の一部であり、小指大程度の臓器です。右下腹部に存在します。虫垂に特別な働きはありません、つまり切除して困ることは通常ありません。
虫垂炎とは虫垂に炎症が起こった病態であり、原因は固まった便や腫瘍、異物などがつまって起こることもありますが、分からないことも多いです。通常、腹膜炎を伴います。
腹痛、発熱、吐き気や嘔吐、食欲低下などがみられます。子供や高齢者の場合は、症状が現れにくかったり、典型的でないことがあります。
これらで虫垂炎の有無と程度(虫垂が破れているかどうか)を診断します。
ただし、これらの検査を行っても虫垂炎と他の疾患(大腸憩室炎、女性の付属器炎など)の区別が難しいことがあります。最終的に手術をして初めて診断が確定することもあります。
虫垂炎の程度にもよりますが、軽症~中等症であればいずれかを選択できます。
手術のタイミングには『緊急手術』と『待機的手術』があります。
当院ではおよそ半数の方が待機的手術を選択しています。
虫垂切除術といい、虫垂を根元で切り取ります。腹腔鏡下手術と開腹手術の方法がありますが、当院では 2014 年より腹腔鏡下手術を導入し、現在では腹腔鏡下手術を原則としています。
腹腔鏡下手術では原則 3 か所の創で行っていますが、希望される方には『単孔式腹腔鏡下手術(創がお臍の 1 か所のみ)』を検討します。
当院の 126 手術例の結果では、緊急手術の場合は術後平均 4 日間、待機的手術の場合は術後平均 3 日間で退院が可能です。待機的手術の場合は手術前日に入院していただきます。虫垂が破れている場合は術後の入院期間が約 10 日と長くなります。
退院後、日常生活(歩行など)は可能です。ただし、激しい運動や重い物を持つなどの重労働はできれば約1か月間避けていただきます。手術創部で脱腸が起こること(腹壁瘢痕ヘルニア)を予防するためです。
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