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DEPARTMENT虫垂炎

虫垂炎とは

虫垂炎とは『盲腸(もうちょう)』としてよく知られており、子供から大人までが発症する可能性があります。
虫垂は大腸の一部である盲腸から飛び出している腸の一部であり、小指大程度の臓器です。右下腹部に存在します。虫垂に特別な働きはありません、つまり切除して困ることは通常ありません。
虫垂炎とは虫垂に炎症が起こった病態であり、原因は固まった便や腫瘍、異物などがつまって起こることもありますが、分からないことも多いです。通常、腹膜炎を伴います。

体構造

虫垂炎の症状

腹痛、発熱、吐き気や嘔吐、食欲低下などがみられます。子供や高齢者の場合は、症状が現れにくかったり、典型的でないことがあります。

虫垂炎の診断

  • 問診・おなかの触診
  • 血液検査:白血球数や CRP 蛋白などの炎症の数値が増加します。
  • 画像検査(CT や超音波検査):腫れた虫垂の確認、穿孔(虫垂が破れること)の有無の確認を行います。

これらで虫垂炎の有無と程度(虫垂が破れているかどうか)を診断します。
ただし、これらの検査を行っても虫垂炎と他の疾患(大腸憩室炎、女性の付属器炎など)の区別が難しいことがあります。最終的に手術をして初めて診断が確定することもあります。

虫垂炎の治療

  • 手術治療:虫垂を切除するため、根本治療です。
  • 保存的治療:抗生物質による、いわゆる“散らす”治療です。手術を回避できますが、20-30%程度の割合で再発することがあります。

虫垂炎の程度にもよりますが、軽症~中等症であればいずれかを選択できます。

虫垂炎手術のタイミング

手術のタイミングには『緊急手術』と『待機的手術』があります。

  • 緊急手術:受診されたその日もしくは翌日に手術を行います。
  • 待機的手術:保存的治療でいったん散らした後に、再発予防のために虫垂切
    除を行います。虫垂炎は通常救急疾患であり、仕事や学校の都合で緊急手術を選択できない場合もしばしばあり、都合のつく時期に待機的に手術を予定します。

当院ではおよそ半数の方が待機的手術を選択しています。

虫垂炎手術のタイミング

虫垂炎の手術方法

虫垂切除術といい、虫垂を根元で切り取ります。腹腔鏡下手術と開腹手術の方法がありますが、当院では 2014 年より腹腔鏡下手術を導入し、現在では腹腔鏡下手術を原則としています。

データ

データ

腹腔鏡下手術では原則 3 か所の創で行っていますが、希望される方には『単孔式腹腔鏡下手術(創がお臍の 1 か所のみ)』を検討します。

虫垂炎手術の入院期間

当院の 126 手術例の結果では、緊急手術の場合は術後平均 4 日間、待機的手術の場合は術後平均 3 日間で退院が可能です。待機的手術の場合は手術前日に入院していただきます。虫垂が破れている場合は術後の入院期間が約 10 日と長くなります。

虫垂炎手術の合併症

  • 遺残膿瘍:お腹の中に膿が残る状態です。抗生物質による治療や排膿処置を要します。当院のデータでは、虫垂が破れている場合は 8%程度、破れていない場合は 1%未満です。
  • 腸閉塞:腹膜炎や手術による癒着の影響で腸の動きが悪くなることがあります。当院のデータでは、虫垂が破れている場合は 14%程度、破れていない場合は 1%です。
  • 創感染:創が化膿することがあります。
  • 出血:虫垂炎の手術で大量に出血し、輸血を要する場合は非常にまれです。
  • 他臓器の損傷:お腹の中の別の臓器(腸、膀胱、尿管、卵巣など)の損傷ですが、非常にまれです。

虫垂炎手術後の社会復帰

退院後、日常生活(歩行など)は可能です。ただし、激しい運動や重い物を持つなどの重労働はできれば約1か月間避けていただきます。手術創部で脱腸が起こること(腹壁瘢痕ヘルニア)を予防するためです。

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