循環器病センターは、より質の高い医療を提供できるよう6人の循環器医で24時間対応できるような体制を整えています。当院は循環器学会の研修病院と日本心血管インターベンション治療学会の研修関連施設に認定されています。甲賀市の中核病院であるため、急性冠症候群などの緊急カテ対応の割合が多いです。特に急性心筋梗塞は緊急対応が必要となる疾患であり、迅速に心臓カテーテル検査・治療を行い、集中治療部と密に連携を取って対応しています。急性期は心臓カテーテル検査チームを中心に、慢性期は心不全チームを中心に、各部門の垣根を乗り越えチームとして包括的に患者の診療に関わり、安全で高度な医療を提供しています。
心臓カテーテルシネ装置は新しいフィリップスバイプレーンが導入されています。従来のシングルプレーンと比較して造影剤の使用量は1/2から2/3に減量可能となりました。さらに被爆も新装置では低減され、従来の1/2から2/3程度の放射線量で検査と治療が出来ます。
日本の高齢化は著しく、2025年には団塊の世代が後期高齢者となり、5人に1人が75歳以上という超高齢化社会になります。甲賀地区も例外ではなく、高齢者の心不全が爆発的に増加することが予想されます。それを見越して昨年心不全学会から高齢者心不全の治療に関するステイトメントが発表されました。高齢者心不全はありふれた疾患であると同時に癌のように死に至る悪性病態であると宣言しています。
入院が必要となるような急性増悪に至らないように、症状の安定しているときからの心不全の管理が重要になります。内服加療などの医療的側面と同様に、患者の生活の場、生活スタイルに軸を置いた介入が必要です。当院では医師だけではなく、心不全認定看護師を含む看護師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士等のコメディカルが心不全チームとなり一丸となって対応しております。
心不全チームが発足して6年近くになります。当初はスタッフへの教育が主な活動でしたが、今では週1回の心不全カンファレンスを中心にチームで心不全患者に介入しています。カンファレンスはナースステーションのオープンスペースを使い、日勤の看護師全員が参加出来るようなスタイルを取っています。チームが発足するまでは医師が深く関わることがなかなか出来ませんでした。患者は内服や生活指導はある程度遵守していると考えがちですが、実際に聞き取りをしてみると高齢者になるほどアドヒアランスは悪くなっています。内服も服用しなければ効きません。多職種の介入で、医師には話さなかった様々な情報を引き出すことが出来るようになりました。その情報を共有することで、さらに一歩進んだ介入が可能となってきたと考えます。主治医も気がつかなかったことが増悪の原因になっていることもあり、再入院させないことの取り組みにつながっています。
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